首が痛くて動かないのは
頚椎ヘルニアが原因でないかも
デスクワークで段々と首が痛く左右に振り向きにくくなり、病院で検査してもらうと頸椎ヘルニアと診断された…と悩んでいませんか?
デスクワークの方はどうしても首や肩に負担がかかりやすいために、それを何年も続けていると頸椎ヘルニアを発症してしまう方も少なくはありません。
このように、病院で頸椎椎間板ヘルニアと診断された場合、症状を治すためには手術しかないんだろうか…と悩まれる方もいるでしょう。
ですが実はその首の痛みや左右に振り向きにくくなっている症状は、頸椎椎間板ヘルニアに関係なく、筋肉によって発症している時があるんです。
今回はデスクワークの方が頸椎椎間板ヘルニアと診断されても、手術しかないとあきらめる前に見てほしい、首の痛みや首の動きを制限する筋肉についてお伝えしていきます。
デスクワークの人が硬くなりやすい首の筋肉
デスクワークの方で頸椎椎間板ヘルニアと診断されていても、ヘルニアと関係なく首の痛みや首の動きを制限する筋肉が後頭下筋群と呼ばれる、首と頭をつなぐ筋肉達です。
どんな筋肉か?っていうと、下のイラストの赤線部分にある筋肉です。
首の骨は7本あるんですが、その第1と第2の首の骨はその他の首の骨と違い、可動域が大きく動きやすく、ある意味不安定な骨だとも言えます。
どれくらい可動域が広いかというと、首を前に倒したり後ろに倒す動きのいっぱいいっぱいの半分の動きは、頚椎の第1と頭蓋骨とで行われ、
首を左右に捻るいっぱいいっぱいの動きの半分は頚椎の第1と第2の関節で行われます。
後頭下筋群は、その大きく動く首の上方の骨の動きを制御しているため、この筋肉達が緊張し硬くなってしまうと、頸椎椎間板ヘルニアでなくても首の動きを大きく制限したり、首の部分に痛みを出してしまいます。
こんな姿勢の人は要注意
ただでさえ、デスクワークの方は頭の位置を微妙に調整するために後頭下筋群を使用するので、緊張しやすく痛みを出しやすいんですが、
特に後頭下筋群を酷使して硬くしやすい姿勢があって、それが下の写真のような姿勢です。
デスクワークの方によく見られる、このような頭を前に突き出した姿勢には要注意です。
この姿勢では頭を下に落とさないように持ち上げるため、後頭下筋群が常に緊張し働きっぱなしになるんです。
結果、頸椎椎間板ヘルニアでもないのに首に痛みが出て、首の動きが制限されてしまいます。
目の使い過ぎでも硬くなる後頭下筋群
デスクワークの方で眼精疲労を感じている人は少なくないでしょう。それだけ目を酷使する証拠だとも言えます。
そして後頭下筋群は、目を酷使することでも硬く緊張してしまうんです。
これは少しややこしい話になるんですが、後頭下筋群はわずかな頭の動きを調整してくれています。
例えば、右側にあるものを見るとき通常、目の動きだけでそれを捉えます。しかし、対象物が視線だけでは確認できないところにあるときは、視線だけでなく首の動作を加えて対象物を見ます。
これはもちろん首を動かしたほうが視野が広がるからです。そしてその際には首の上にある頭も動きます。
頭部には脳があり、人は本能で脳や心臓など、生命維持に必要不可欠な臓器にはできるだけ負担をかけないようにする傾向があります。これは、生命を守るためです。そのため、極力、首や頭を動かすことを避けます。
そこで、視野を広げるために、首と頭が動こうとするのを制御するのが後頭下筋群なんです。目を使う作業を行う時には、頭が動かないように後頭筋群が制御しようと働くため緊張が強まり、結果後頭下筋群が硬くなってしまうんです。
このような理由から、デスクワークの方は後頭下筋群が非常に緊張しやすく硬くなりやすいと言えます。
後頭下筋群のケアの方法は?
上記のようにデスクワークの方は後頭下筋群が非常に酷使してしまうため、たとえ頸椎椎間板ヘルニアであっても、それとは関係なく首の痛みや動きの制限がかかってしまうことがあるんです。
言い換えると、頸椎椎間板ヘルニアと診断されていても、後頭下筋群をケアしてあげることで首の痛みや動きの制限といった症状は軽減したり改善することがあるんです。
その後頭下筋群のケアの方法として、ここではストレッチをお伝えしていきます。
上の写真のように本や雑誌を数冊用意し、上向きで寝て頭の後ろに本や雑誌を敷きます。
そのまま、頭の後ろを本から離さないようにしながら、アゴを引いて下さい。(2重アゴを作るような感じです)
そして2重アゴを作ったまま、後頭部を真下に押し付けます。この状態で20~30秒キープしてください。
身体に力が入り過ぎて背中や腰が地面から離れたり、首に力が入り過ぎないようにできるだけリラックスして行ってください。
まとめ
あなたがもしデスクワークをされていて、病院で頚椎椎間板ヘルニアと診断されて、首が痛くて左右に回しにくいという時は、その症状は頸椎椎間板ヘルニアのものではなく後頭下筋群が緊張し硬くなって起こっていることがあります。
これはデスクワークの方は非常に後頭下筋群を酷使しやすく、後頭下筋群が首の動きに大きくかかわっているからです。
こういった場合、頸椎椎間板ヘルニアの手術をしなくても、後頭下筋群の緊張を和らげてあげることで、首の痛みや動きの制限は緩和したり、改善することがありますので。
まずは一度後頭下筋群のケアを行ってみてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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