合わない靴は腰椎椎間板ヘルニアが悪化する
以前から腰痛があり病院で診てもらうと腰椎椎間板ヘルニアだと診断されていて、最近は腰痛や痺れがマシだったんだけど、最近購入した慣れない靴で長時間歩くとなんだか腰痛や痺れが強くなってきてしまった…と、悩んでいませんか?
腰椎椎間板ヘルニアと診断されても、四六時中ずっと激痛や強い痺れを感じている人は少なく、多くの場合ある程度痛みや痺れが時間とともに落ち着いていきます。
なので腰椎椎間板ヘルニア持ちでも手術なしで生活できている人は少なくありませんが、普段から履きなれている靴なら問題なくても、慣れない靴や自分の足に合わない靴を履くことで腰椎椎間板ヘルニアを悪化させててしまうことがあるんです。
そこで今回は合わない靴がどのような影響を腰に与えるのか?対策は?など腰椎椎間板ヘルニアと靴との関係についてお伝えしていきます。
合わない靴だと腰椎ヘルニアの症状が悪化する?
自分の足の形に合わない靴を履いていると腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化した…なんて人もいると思いますが、合わない靴や慣れない靴を履くことで腰椎椎間板ヘルニアに影響はあるの?
これはもちろん靴だけで腰椎椎間板ヘルニアが悪化したのでなく、ほかにも要因があったと思いますが、合わない靴や慣れない靴は腰椎椎間板ヘルニアの発症の一つの原因となったり、悪化の原因になると考えられます。
というのも、合わない靴で歩き続けることで、血液の巡りに影響を与えたり、腰周りの筋肉の負担や疲労が大きくなってしまうためです。
腰椎椎間板ヘルニアの症状や発生には腰周りの筋肉の状態や、血液の巡りが関わっているため、合わない靴や慣れない靴でそれらに影響があるため、腰椎椎間板ヘルニアにも影響を与えてしまうんです。
合わない靴で歩くと腰椎椎間板ヘルニアに影響を与える理由
では合わない靴で歩いているとどうして血液の巡りや腰周りの筋肉の状態に影響を与えてしまうのか?
これは「足の筋肉に負担がかかる」「姿勢が悪くなりやすい」「足のアーチが崩れる」これら3つが特に大きく関係しています。
●足の筋肉に負担がかかる
自分の足に合わない小さい靴を履いていると、つま先を折り曲げた状態で歩くことになり、常に足の筋肉に力を入れたままになるため疲労がたまりやすく、反対にぶかぶかの大きな靴を履いていると足が靴の中で動いて踏ん張りがききにくく必要以上に、前に進むために力を入れなけらばなりません。
このように合わない靴のせいで必要以上に足の指に力が入ると、まずは足の指先の筋肉が疲労して、それをかばうように次はふくらはぎの大きな筋肉が疲労していきます。
疲労した筋肉は段々と柔軟性を失い硬くなり始め、その緊張は筋肉や筋肉の膜を通じて腰へと伝わり、腰の筋肉も柔軟性を失い緊張し始めます。
またふくらはぎの筋肉は地面からの衝撃が直接腰に伝わらないように、クッションのように衝撃を吸収してくれているんですが、合わない靴を履くことでふくらはぎが疲労し柔軟性を失うと、クッションの役割ができなくなるため、腰にかかる負担が大きくなってしまいます。
さらにふくらはぎの筋肉は第二の心臓と呼ばれる位、本来であればしっかりと伸び縮みしてポンプのような働きを担い、全身に血液を巡らせるために役立っています。
これが合わない靴を履いてふくらはぎの筋肉が硬くなり柔軟性を失ってしまうと、ポンプのように血液を押し出す働きができなくなり、結果腰周りの血液の巡りも滞ってしまいます。
腰周りの筋肉の状態や血液の巡りは腰椎椎間板ヘルニアの症状と密接にかかわっているため、負担が大きくなり疲労して硬くなったり、血液の巡りが悪くなってしまうことで腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまいます。
●姿勢が悪くなりやすい
慣れないヒールを履いて歩いていると、知らず知らず膝を曲げて歩いていたり、大きな靴を履くと地面を擦って歩いてしまうことで背中がどんどん丸まってしまったり、合わない靴を履いて動いていると段々と姿勢が崩れてしまいます。
背骨は本来S字カーブを描いていて、腰椎(腰の骨)は前弯のカーブを描いています。
このカーブがあるおかげで、カーブがクッションのような役割を担い、腰の筋肉や椎間板にかかる負担を吸収・分散してくれています。
この背骨のカーブがが合わない靴を履いて崩れてしまうことで、クッションの役割ができなくなるため、腰の筋肉や椎間板にかかる負担が大きくなり、腰椎椎間板ヘルニアを発症させたり、症状を悪化させる要因となります。
ほかにも、合わない靴で悪くなった姿勢のままで体を支えるために、腰から背中に続く筋肉や背骨に沿った筋肉が過度に働くことも、腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させる要因となります。
●足のアーチが崩れる
足の裏には土踏まずのようにアーチがあり、それがクッションの役割をはたして床からの反発力を逃がしてくれています。
土踏まず以外にも足裏の外側と指の付け根のやや下に沿って横に走るアーチもあります。
合わない靴を履いていると、これらのアーチが崩れてしまうため、クッションの役割を果たせなくなり、床からの反発力が強くなってしまいます。
するとその衝撃を次はふくらはぎの筋肉が受け止めだしてくれるため、段々とふくらはぎの筋肉も柔軟性を失ってしまいます。
上記でもお伝えしたように、ふくらはぎの筋肉が硬く緊張してしまうと、腰にかかる負担が大きくなったり、血液の巡りを悪くしてしまうため、結果的に腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させたり、発生のリスクを高めてしまいます。
体の表面積の1%の足裏
人間の足の裏というのは、体の表面積のうちわずか1%ほどしかありません。
そのわずか1%で全身の体重を支えてくれているわけで、それが合わない靴によって繊細なバランスを崩してしまうと上記のように腰や血液の巡りに影響を与えてしまうために、腰椎椎間板ヘルニアの発症のリスクを高めたり症状を悪化させてしまう可能性があります。
最初にお伝えしたように、靴だけが原因で腰椎椎間板ヘルニアを発症したり症状が悪化してしまうことは少なく、それ以外にも要因があることがほとんどでしょうが、それでも腰椎椎間板ヘルニアに影響を与えると考えられるため、新しい靴や外見の気に入った靴を買い替えるのは抵抗あるかもしれませんが、もし合わないと感じるのであれば、もう一度合う靴を購入していただくほうがいいと考えています。
履き続けることでリスクが高まる
さらに合わない靴を履き続けることで、段々と腰椎椎間板ヘルニアに与える影響は大きくなっていきます。
最初は上記のように足裏やふくらはぎ、太ももの筋肉が疲労しやすい位で、痛みや痺れといった症状は感じなかったり、腰椎椎間板ヘルニアの症状も悪化しないかもしれません。
ですが段々と合わない靴を履き続けることで、腰への負担が蓄積したり、足のアーチが崩れたり、疲労して硬くなったふくらはぎや太腿の筋肉、お尻の筋肉が骨盤を引っ張り、骨盤の歪みを発生させてしまいます。
こうなれば、今まではそれほど影響のなかった腰椎椎間板ヘルニアにも、影響を出し始めてしまいます。
合わない靴を履き続けることは、段々と腰椎椎間板ヘルニアの発症や悪化のリスクを高めてしまっていることをお忘れなく。
慣れない靴で歩きまわった後の対策
とはいっても、時には普段履くことのないヒールを履かないといけなかったり、革靴を履いて歩き回らなければいけない時もあるかもしれませんね。
そこでここからは、合わない靴や慣れなく靴で歩き回った後、腰椎椎間板ヘルニアの予防や悪化を防ぐための対策をお伝えしていきます。
●土踏まずをほぐす
合わない靴や慣れない靴を履き続けると、足の土踏まずの部分が疲労して硬くなってしまいます。
そのままだと、地面からの反発力を吸収できなくなったり、歩き方が悪くなってしまうため、ケアを行うようにしてください。
●自分の手のひらの付け根やテニスボールなどを利用して、ゆっくり土踏まずを押さえて、ほぐしてあげてください。
●すねの筋肉をほぐす
合わなかったり慣れない靴を履いて歩いた時に疲れるのは何もふくらはぎだけでなく、すねの部分にある筋肉も疲労してしまいます。
すねの周りの筋肉も体を支えるために働いており、疲労して硬くなることで重心の位置がずれて姿勢が崩れやすくなってしまうためケアを行ってください。
●両手を組んで手のひらの下の部分で脛の骨を挟んみ、ゆっくり両手で圧をかけながら位置をずらしてほぐしていってください
●足のストレッチ
合わない靴で歩いていると、上記でお伝えしたようにふくらはぎや太腿の筋肉も疲労しやすく、この筋肉が硬くなることで血液の巡りが悪くなったり、硬くなった筋肉が骨を引っ張ることで骨盤が歪んでしまうため、ケアを行ってください。
●片足を伸ばして反対の足を胡坐(あぐら)を書くようにまげて床に座り、体を前に倒してください。体を前に倒す時は背中だけ丸めず、骨盤から前に倒すようにしてください。
足の後面にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●お尻のストレッチ
合わない靴で歩いていると、お尻の筋肉も疲れやすく硬くなりやすくなります。
お尻の筋肉は普段から上半身の重たさを腰だけにかからないようにクッションのように分散してくれたり、地面からの衝撃をサスペンションのように吸収してくれています。
そのため、緊張して硬くなったままだとこれらの働きが低下して腰に負担がかかりやすくなり、腰椎椎間板ヘルニアを悪化させやすくなるのでケアを行ってください。
●床に座り両手を後方につき、両膝を曲げて片足を反対の太ももの上にのせるように足を組みます。
お尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
この時腰が丸まってしまわないように注意してください。
●腰の筋肉のストレッチ
腰周りの筋肉が疲労して硬くなっていると、椎間板にかかる負担が大きくなったり、姿勢を維持できず腰椎椎間板ヘルニアに悪影響を与えるため、腰の筋肉もケアしてください。
●上向きで寝て片足を曲げ、足を反対側へクロスさせて股関節と膝を約90°に曲げます。
背中にツッパリを感じたところで15~20秒キープしてください。左右交互に行ってください。
靴を選ぶ時のポイント
ここからは靴を購入するときに、自分に合ったモノを選ぶためのポイントをお伝えしていきます。
●立って履く
靴を選ぶときには座ったままで履いて形を確認するのでなく、一度立ち上がってみてください。
これは立ち上がって体重が足にかかると足は横に広がるため、座って履いた時はぴったりだったのに、実際に歩いてみたらしっくりこなかった…なんてことをなくすためです。
●つま先に少し余裕のある靴を選ぶ
靴を合わせるときにはしっかりと踵を合わせて、その時につま先はぴったりでなく少し余裕があり、ただしぶかぶかでないモノを選んでください。
●土踏まずがフィットするもの
履いた時に土踏まずの部分がフィットすることも大切で、土踏まずの部分が高すぎたり、反対に隙間が大きくあくと、土踏まずのアーチが崩れてしまうため気を付けてください。
●女性はストッキングで靴を合わせる時に気を付けて
女性の場合、ストッキングで靴を合わせる時には注意してください。
ストッキングの時にぴったりだと購入した靴が、靴下を履いた時にはキツイと感じることがあります。
その反対で靴下でぴったりだった靴でも、ストッキングだけで履くとぶかぶかだったということもあります。
まとめ
合わな靴で歩きまわっていたら最近マシだった腰椎椎間板ヘルニアの腰痛や痺れが強くなった…なんて人もいるでしょう。
これは靴だけのせいだとは言いませんが、合わない靴を使用することは、腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させる一つの要因だと考えられます。
これは、合わない靴を使用することで「足の筋肉に負担がかかる」「姿勢が悪くなりやすい」「足のアーチが崩れる」、これらが起こってしまうからです。
そして合わない靴は履き続けることで腰椎椎間板ヘルニアの発生や悪化のリスクが高まってしまうため、新しい靴ならもったいないかもしれませんが、自分に合う靴を選びなおすようにしてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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