移動する首の痛みは頚椎椎間板ヘルニアかも
最近肩こりがひどく首にまで痛みが出るようになったけれど、どういうわけか昨日は右首すじが痛かったのに今日は左の肩から首にかけてが痛い…。どうして首の痛い場所が移動するの?と、疑問に思っていませんか?
腰痛で昨日はお尻のあたりが痛かったのが、今日は背中のあたりが痛い…、右腰が痛かったのが左に移動した…なんて経験のある人もいるでしょうが、同じように首痛でも痛みが移動することがあります。
でもこれってどうしてなのか?今回は首の痛みが移動してしまう原因についてお伝えしていきます。
痛みは脳が出す危険信号
まず首の痛みが移動する原因について理解していただくために知っていただきたいのは、痛みというのは脳が発する一種の危険信号のようなものです。
脳は私たちが生存していくために、異常のある部分やある一定以上の負担がかかっていて異常が発生しそうな部分があると、その箇所に痛みという信号を発生させ私たちに問題が起こっていることを知らせてくれます。
ただしちょっとした擦り傷と深い切り傷とでは命にかかわる危険度が違うように、これらの問題を同じような危険信号で私たちに知らせていたのでは、私たちが誤ってちょっとした擦り傷の治療を優先してしまう可能性があるため、その時その人の体の中で、最も悪い所を優先的に痛みを強調させ私たちに危険信号を出します。
これは経験したことのある人も少なくないでしょうが、例えば擦り傷があって痛みを感じていたのが、転倒し骨を折ってしまうと、擦り傷の方はまったく気にならなくなってしまったというように。
首の痛みはどうして移動する?
上記の例えは少し大げさでしたが、この脳の働きはもちろん首周りでも同じで、首に痛みがあったとしても、それよりも異常が他の首の部分で起これば、脳はそちらを優先し危険信号を出すため、痛みが移動したかのように感じてしまうのです。
つまりもう少し平たく言えば、首の痛む場所がころころ移動したり変化するという事は、割と広範囲に悪い所が存在しているという事で、その時、その日の体の状態によってその広範囲の悪いところのなかでも一番の問題ある部分を痛みとして私たちに危険信号を送るのです。
このように体の状態というのは日によって違うため、首と言っても痛めている範囲が広い場合は、あたかも痛みが移動したかのように違う場所に痛みを感じてしまうことがあります。
他にも痛みがある部分をかばってしまう経験はほとんどの方がおもちでしょうが、首でも首筋の後ろが痛ければ、その部分をかばって極力筋肉が緩むような体勢をとり続けることで、他の首筋の筋肉に負担がかかりそちらの方が悪化し痛みが移動することも考えられます。
つまり痛みのある部分をかばうことで、新たに悪い部分を作り出してしまい痛みが移動することもあるんです。
痛みを移動させないためには?
それにしてもあちこち痛みが移動していては気も滅入ってしまいますよね。
それじゃあ痛みを移動させないためにはどうすればいいのか?なんですが、当たり前のことを言いますがきちんと危険信号を受け止めてあげることです。
先ほどお伝えしたように、痛みというのは異常部分があることを脳が私たちに知らせるための信号です。
なのでその信号を受け止め、異常部分をきちんと治療していくことが必要です。
そうやって痛みという信号をキャッチするたびにその部分を治していくことで、他の部分がかばって痛みを出すこともなくなりますし、最終的には異常な部分がなくなり信号も発信されなくなります。
あまりにも当たり前のことで、「なーんだ」と思われるかもしれませんが、その当たり前のことができていないから、首の痛みも移動していつまでたっても痛みが治まらないことがあることをお忘れなく。
首の痛みがあちこちに移動する時は頚椎ヘルニアが原因かも
上記のように首の痛みが移動するのは、広範囲に悪いところがあったり、悪いところをかばうことによって起こりましが、首の痛みが首に限らずあちこちに移動する場合には、頚椎椎間板ヘルニアの可能性があります。
頚椎椎間板ヘルニアというは、頚椎(首の骨)や首の軟骨が変形・突出する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患のことです。
この頚椎椎間板ヘルニアは、問題が生じている神経が支配している領域のどこに痛みが発症してもおかしくないため、非常に広範囲に症状が発生しうる疾患です。
そのため、首が痛いと思っていたのが、次の日には段々と神経の支配領域である腕や手に痛みが移動することも珍しくありません。
このように首の痛みがあちこちに移動する場合には、単に首痛でなく頚椎椎間板ヘルニアの可能性が少なくありません。
そして頚椎椎間板ヘルニアの場合、傷病を診断するためにはMRIでの
検査が必要となるため、自分もそうなのかな?と不安に感じる場合は、そういった設備のある病院へ受診する必要があります。
首痛にしても頚椎椎間板ヘルニアにしても、早期の治療が症状改善のための近道であるため、やはり痛みという信号をきちんと受け止めてくださいね。
頚椎ヘルニアが原因だった場合
実際に首の痛みがあちこちに移動して、病院を受診すると頚椎椎間板ヘルニアと言われた時にはどうしたらいいのか?なんですが、そのまま病院で薬だけ飲んだり牽引をしてもらうことが、必ずしも適切な処置であるとは言えません。
頚椎椎間板ヘルニアというのは、あくまでも首に負担をかけ続けた結果であって、その飛び出た部分だけを見ていてもなかなか改善しません。
そうでなく、頚椎の椎間板が飛び出してしまった原因を改善していくことが大切になります。
また手術が必要なのでは?と心配される人もいるでしょう。確かに症状がひどく動くことも困難であったり、握力などが異常に低下している、排泄障害が起こっていたり、こういった時には即手術が必要な時もあります。
ですが、多くの頚椎椎間板ヘルニアは手術することなく治療を行っていくことが多いです。
これは突出した椎間板自体、手術をしなくてもマクロファージが時間をかけて吸収してくれたり、椎間板の突出はあっても周りの筋肉を整えたり炎症が治まることで、痛みや痺れなどの症状が改善することがとても多いからです。
頚椎椎間板ヘルニアを改善するための詳しいお話をするときりがないため、もし気になる方は当店の他の記事を参考にしてみてください。
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治療後の痛みの移動は悪いことではない
他にもたまに聞くことがあるのが、「首が痛くて整体院に行ったり、整骨院へ行って施術を受けたら、痛い場所が移動した。」といったことです。
この場合、施術によって他の場所に問題が起こったのかな?と心配になる人もいるでしょうが、必ずしも治療や施術によって痛みが移動するとは悪いことではありません。
これは先ほどお伝えしたように、一番問題のある部分を優先して脳は痛みという危険信号を私たちに送ります。
そのため、もともと一番悪かった首が施術や治療を重ねることで改善しいき、それまでは首の痛みに隠れていた違う場所の痛みを感じるようになることがあります。
実際に首なんかは左右の筋肉どちらでも頭を支えているわけで、最初は左側が痛かったとしても、左側だけに問題があるとは考えにくく、一番悪い左側が施術で改善していくと、右側に痛みが移動したなんてこともしばしばあります。
もし治療後などに痛む場所が移動したり変化した場合は、決して悪い反応ばかりでないため、あまり心配しすぎないようにしてくださいね。
まとめ
昨日までは右の首すじが痛かったのに、今は首の後面が全体に痛い…。どうして痛みが移動するの?と疑問に思う人もいるでしょう。
これは脳はすべての体の異常のある部分を平等に私たちに伝えるのではなく、優先順位の高いと判断したところから、痛みという危険信号を強く送るため、広範囲に異常があれば日によって痛みの強い場所が変わりますし、痛いところをかばうことでさらに違う場所の問題が悪化し痛みが移動することがあります。
ただし、首の痛みがあちこちに移動する場合には、頚椎椎間板ヘルニアによって痛みが発生していることもあります。
これは頚椎(首の骨)や首の軟骨が変形・突出する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域であれば度の部分でも痛みや痺れなどの症状が起こる可能性があるためです。
頚椎椎間板ヘルニアが原因で首痛が起こっている時には、対策も変わってくるため、マッサージなどでなく専門の機関で見てもらうことが大切だと考えています。
あと稀に、治療や施術後に首の痛みが移動す人もいますが、これはすべてがすべて悪いわけでなく、一番悪かったところが改善してきている証拠の時もあるため、あまり心配しすぎないようにしてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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